「はい、どーぞ」

コンビニから出てきた華乃が、わたしがいつも飲んでいるレモンティーを差し出した。

「あ。ありがと」

「どーいたしまして」

にっこり笑った華乃は、手にしていたコーラをゴクゴクと勢いよく飲んだあと、

「くぅーっ。はぁぁぁ。
こんなときは、やっぱ炭酸だよね」

と、満足そうな表情を見せる。

そして、いつものように、いつものセリフを口にする。


「なんであたしがあんなヤツのために泣かなくちゃいけないわけ?次よ、次!」

「とりあえず、恋したい!今すぐにでも!」

って。


「……あぁ、そうですか」


華乃と一緒に行動するようになってから、何度目だろう。

失恋をして、大泣きした直後にもかかわらず、そんな言葉を平気で口にする。


いつも疑問に思うんだけどさ。

「とりあえず」って、なに?

とりあえずでできちゃう恋って、どうなのよ。