あの日から、頭の片隅に先生がいる。
ありがとうの言葉も、すみませんって言葉も言えずにいるから、そのことが気になっているだけなんだと思っていた。
面倒なことはサッサと片付けたほうがいい、なんて誤魔化してみたりもした。
でも。
自分の中で何かが揺れた。
動いたような気がした。
そこは、誤魔化してはいけないような気がして。
どうしたらいいのかわからない。
どうすべきなのかわからない。
わかったことは。
『先生が好き』ということだけ。
切り取った世界があまりにも綺麗だったから、気づいてしまった。
『好き』確定、だ。
でも。
この感情の扱い方を、わたしは知らない。
知らないふりをしてやり過ごすべきか。
水を与えて育てるべきか。
この感情は、何処へ持っていけばいいのだろう。
この胸の高鳴りを、どうしたら落ち着かせることができるのだろう。



