「のど渇いた」
登校してすぐ、購買の自販機でパックのオレンジジュースを買った。
思わぬタイミングで会ってしまった。
思わぬ言葉を掛けられてしまった。
そんな緊張感から、のどはカラカラに渇いていた。
「最近、和葉って、オレンジジュースばっかり飲んでるよね」
わたしに付き合ってオレンジジュースを買った華乃が言った。
「……そんなことないよ、」
と言ったものの、実際はオレンジジュースばかり。
「教室行こう。先生来ちゃうし」
「あ、ちょっと待ってよ。和葉、」
なんとなく、手に取ってしまう。
先生がくれたオレンジジュースよりも美味しいものを見つけたら、先生に教えてあげよう、と。
そんなことを考えて。
いつになるか、わからないし。
見つけたとしても、教える勇気があるのかどうかもわからない。
「体育館、暑いかな……」
「暑いよ、絶対。また無駄に汗かいちゃうよ」



