「おはようございます」

「おはよう」


「おはようございまーす」

「はい、おはよう」


「はよ、ございます」

「おはよう。シャツ、きちんと着ることー」


「………ぁ、」


数メートル先。

校門に立つ先生の姿に気づき、心臓が動きを速めた。


いや。今じゃ、ないんだけど。

会いたかったけど、今じゃない。


「ねぇ。倉田せんせ、日焼けしてない?」

隣を歩く華乃が先生を指さしてそう言った。


「………あ。ほんと、だ」


よく見れば、華乃が言ったように先生の肌はほんのり焼けていた。


「おはようございまーす。先生、日焼けしたね。
夏休み、楽しめた?」

「はっ、華乃…っ、」


華乃のそういうところ、ほんと凄いと思う。

わたしじゃ、そんなこと言えない。

絶対、ムリ。