毎月やってくる、女性特有のアレのせい。
その時々によって違うけれど、今回はひどい方だった。
鎮痛剤はなるべくなら服用したくなかったけど、テストの最中に痛くなるのは嫌だな、と思って飲んでおいたのに。
「飲むタイミングが悪かったかな…」
鈍い痛みが少しでも和らぐようにと、下腹部を撫でながら歩く。
それにしても。
「こういうとき、ひとりはツライ」
一緒に帰ろうと約束していた華乃も、保健室の先生の話では、
『よく寝てるから、起こさずに帰ります』
と言って帰ったらしい。
3時間も寝ちゃってたから、先に帰ってもらって正解だったけど。
電車できもち悪くなったらどうしよう。
そんなことを考えながら、滲み出る額の汗をハンカチで拭った。



