「……ノダさん、篠田さん」
名前を呼ばれてゆっくりと目を開ける。
「具合はどう?」
カーテンの隙間から顔を覗かせた保健室の先生と目が合った。
あぁ…。わたし、寝てたんだ。
「……だいぶ、良くなりました」
「そう。よかった」
開かれたカーテンの向こう側の、壁に掛けられた時計が目に入る。
2時50分……。
わたし、どれだけ寝てたの!?
「すみません…っ。寝過ぎちゃいました」
起き上がる力はまだなくて、横になったままそう答えた。
「いいのよ。それより、おうちの方に連絡したんだけど、繋がらなくて。
迎えに来てもらうことはできる?」
「あ…。両親は仕事で。たぶん、迎えは……。
でも、もう、大丈夫です。自分で帰れます」
……と言ったものの。
ムッとする空気がまとわりついてきて、呼吸するたびに熱気が体内に入り込んでくる。
「ふぅ……」
正直、キツイ。



