「男か？最近はずっと落ち着いた軌跡だったのに・・ん？」
地図上で確認をするとかなり先まで向かっている。
次の日は仕事のはず。
美穂にメールをするが、戻りはない。

電話をかけてみると、電源が落ちている。どうみてもおかしい。
ひょっとすると無理に連れていかれているのか・・・。
電源が落ちていてもカレログは機能する。

「今、会いに行きます。か」

修は動いていない点を追う。不安が宿る。
中央高速を降りて県道に入る。それほど先にはいってない。
鹿が通ります・注意！との看板が目に入る。
何か、前方で動いたような気がする。
鹿？

あたりはまっくらで車は1台も通らない。
痕跡はこのあたりを指し示す。

車を止めてあたりを見回す。
ライトを消す。
なんと月の明かりが眩しいことか。
こんなに明るいんだな。
まわりには車がない・・・・ということは。

懐中電灯をあたりに向ける。
「美穂！いるのか？」
GPSでの位置情報は、実際には誤差が生じる。県道わきの草が生い茂っている場所では
位置が特定できない。
「美穂！」
あたりを探す。