「隣のクラスに、すんごい乱暴者がいるんだって」

サンドイッチを頬張りながら、一人第三次世界大戦は言う。

「入学早々同じクラスの女の子や、上級生に喧嘩吹っかけたらしいよ?」

その結果ことごとく敗北を喫したという肝心な事実は伏せられているし、その女の子達が人ならざる能力の持ち主だというのも小夜には伝えられていない。

だから。

『うわ、最低』

小夜は顔を顰めて、その乱暴者に嫌悪感を露にする。

『腕力でしか自己顕示できない人って最悪だね、私そういう人一番嫌い』

自分とは一生接点のないタイプだと。

その時はそう信じて疑わなかった。