簡単に言えば、彼は小夜をその手駒に使おうとしていた。

「お前この間、風紀委員長を関節技でへこましたそうじゃないか…なら女子柔道部や女子レスリング部…合気道部なんかでも活躍できそうだな。どうだ?一枚噛まないか?報酬はタンマリくれてやるし、何なら…」

『っ!!』

上級生に頬の辺りを撫でられ、小夜は悪寒に身を竦める。

「俺の女にしてやってもいいんだぜ?」

こんな下衆な男が相手でも、できれば暴力など使いたくない。

必死に堪える小夜、そしてそんな彼女をいいように嬲ろうとする上級生。

…その時だった。