嫌な感じの男だ。

眉を顰める小夜。

「そんな顔するな、可愛い顔が台無しだぞ」

そう言って上級生は小夜を壁際に追い詰める。

途端に鼻につく煙草の臭い。

喫煙しているのだろうか。

『高校生なのに煙草なんて…いけないと思いますっ…』

「ははっ、優等生だなお嬢さん。結構な事だ」

嘲笑いつつ、小夜のおかっぱ髪を片手で馴れ馴れしく梳く。

ゾクリと背筋を走る悪寒。

小夜は思わず顔を背けた。