「他のはそうなんだけど……足は違う。」
足はって……他はケンカなんだ…。
呆れる。
「どうしたんですか?…話せないならいいですけど」
「いや、いいよ。……なぁ、その、敬語止めろよ。俺ら多分タメだろ?」
明るくその人は言った。
「…で、どうしたの?」
確かに敬語も疲れるからタメ口で問い改める。
「家抜けてきた。」
「へぇー…。」
家をね…。
………。
「…これから大変ね。」
ニコッと笑い救急箱をカタンッと閉めた。
「さ、手当ては終わったよ。」
「………あのー…」
「早く帰って頂けます?」
「………お願いっ!」
男の子はソファーの上で正座し、深々と頭を下げた。

