…適当に座ってて。
とは言った。
だけどソファーに寝っ転がれなんて一言もいってない。
……非常識だな。
親の顔が見てみたい。
「…すいません、手当てするんで起きてもらえます?」
少し強い口調で言った。
今ので感じ取ってほしい。
私の気持ち。
「んー……まって…眠たい……。」
甘ったるい声を出す男の子。
それが私の導火線に日をつけた。
「…ぃいから……起きなさいっっ!!!!」
怒鳴り付けると、男の子はびっくりし、
「…は、はいっ…!!」
と勢いよく起き上がった。
バカか、この人。
「ケガ見せてください。」
「はい…。」
冷たく言う私に
バツが悪そうな顔をして手を見せた。
私は消毒液をシュッシュッと吹きかけ、絆創膏を貼った。
「あとは?」
その人は足を指差した。
ズボンに目をやると、裾が破れて大分汚いことになっていた。
しかも足をズボンごと切ったらしい。
「まったく……ケンカですか?」
私はズボンを捲りながら聞いてみた。

