彼は、理想の tall man~first season~


「え? まぁ、震えないけど。でも、弾かないといけない状況なんだから、弾くしかないんだよ。例えば入学式の時とかさ、弾きたくなくても、決められちゃったら、いつまでも嫌って思ってやる方が嫌だったし。だって、絶対に弾かないといけないんだもん。緊張しようがしまいが、引き受けた以上は役目は果たす、それが人間てもんでしょ? 出来なきゃ私が出来ない人間に思われるだけなんだし」

「そういうスパッとした性格からして、肝が違うよな」

「お前、その性格だから色々な伴奏押しつけられて――アホかよ」

「はぁ? その発言、ちょっと酷い」

「ちょっとかよ」

「じゃあ、かなり酷い」


今日の尚輝は、やたらと突っかかる感じがしないでもないんだけど、なんなの?

さっきのことも手伝ってか、ムカムカが再発していた。

今日は電話の時と、さっきと、今とで、なんか本当に尚輝が変。

いつもとなにかが違う。

私の思い過ごし?

なにか気に障るようなことしたかな・・・。

特に思い当たる節がなく、気分の悪いまま、映像に意識を集中させた。