「まーた、お前等は相変わらずうるせぇなぁ」
「お、尚輝! グッドタイミングじゃん。終わったん?」
「まだ完璧じゃないけど、あとは明日会社で、煮詰める」
「んー、じゃあ俺、忘れ物したから、ちょっくら取り行ってくるわ」
「晃っ、本気で怒るよ!」
「はぁ? 美紗の本気なんか怖くねぇし」
「尚輝! 晃のこと取り押さえてっ!」
「は? なんで?」
「変な物を持って来ようとしてるから!」
「変な物?」
話について来れない尚輝が首を傾げている間に、晃は尚輝の脇を通り抜けて行ってしまった。
「晃のヤツ、本当に許さないんだから」
「あ? どうした?」
「尚輝、敦さんは?」
「洗面所&お手洗い」
「そうなんだ」
「で、どうしたんだよ?」
「晃が、実家から、高校の文化祭の――」
そこまで言いかけた時、尚輝の後ろのドアが開き、敦君が姿を現したので、私は何も言えなくなってしまった。
尚輝は敦君に振り返り、再び私に視線を寄越したけれど、私の言い淀んだ態度から、何かを察知し、軽く頷くと、「飯は?」と、切り返してくれた。
「もう少しで出来上がるから、飲んでる?」


