彼は、理想の tall man~first season~


「まーた、お前等は相変わらずうるせぇなぁ」

「お、尚輝! グッドタイミングじゃん。終わったん?」

「まだ完璧じゃないけど、あとは明日会社で、煮詰める」

「んー、じゃあ俺、忘れ物したから、ちょっくら取り行ってくるわ」

「晃っ、本気で怒るよ!」

「はぁ? 美紗の本気なんか怖くねぇし」

「尚輝! 晃のこと取り押さえてっ!」

「は? なんで?」

「変な物を持って来ようとしてるから!」

「変な物?」


話について来れない尚輝が首を傾げている間に、晃は尚輝の脇を通り抜けて行ってしまった。


「晃のヤツ、本当に許さないんだから」

「あ? どうした?」

「尚輝、敦さんは?」

「洗面所&お手洗い」

「そうなんだ」

「で、どうしたんだよ?」

「晃が、実家から、高校の文化祭の――」


そこまで言いかけた時、尚輝の後ろのドアが開き、敦君が姿を現したので、私は何も言えなくなってしまった。


尚輝は敦君に振り返り、再び私に視線を寄越したけれど、私の言い淀んだ態度から、何かを察知し、軽く頷くと、「飯は?」と、切り返してくれた。


「もう少しで出来上がるから、飲んでる?」