敦君から、前にお姉さん夫婦の子どもの話をチラッと聞いていたから、私はそれを口に出していた。
「ああ、孫問題だろ? それだって孫が産まれた時、顔を見に行ったっきりだぜ」
「そうなの? でも、仕事してると会いに行きたくても、なかなか行けないよね――簡単には休めない立場だろうし」
おばさんの肩を持つつもりはないけど――でも、晃の口から返って来たのは、私の理想のおばあちゃん像とはかけ離れたものだった。
「俺が代わりに兄貴夫婦んとこに顔出して、写メ撮ってメールで送ってやったりしてるけど」
「うん」
「これがまた、あんまり興味がなさげっつうか」
「――え?」
やっぱり、晃のお母さんは、仕事一筋の人なのかな。
孫だなんだってなれば、ちょっとは――って思ったけど。
晃の話の雰囲気からして、全く関係なさそうというか――。
「息子もほったらかしで、気にもとめない人だから、孫にもあんまり興味を示さないのも、それはそれで納得なんだけどな」
「――そっか」
晃は、今回の帰省で、どこかで期待していたのかもしれない。
だけど、その結果は相変わらずで、愚痴の一つも零したくなったのかも知れない。


