「だからな? たまに息子が帰っても、飯を作るのが面倒だってボヤく俺のかーちゃんと違って、」
「うん」
「娘と息子の身体を思って、こうやって土産もんとして、地元で採れた野菜とか干物とか、そういうの持たせてくれるって、やっぱいいなって話だ」
「でも、例えば晃のおばさんが晃に野菜をもたせてくれたとしてもさぁ・・・・・・」
「あぁん? なんだよ、言いかけたんだからハッキリ言えよ」
「ちゃんと食べるの? 料理とかするの?」
「それを言われちまうと、痛ぇけど」
「でしょう? うちだって尚輝だけだったら多分そんなことしないと思うし。ってゆうか、おばさんてまだ病院勤めしてるんでしょ?」
「ああ、帰った日は夜勤明けっつってた」
「毎日忙しくしてんだろうね。多分ご飯作ってあげたくても、疲れがそれを上回っちゃってっていうことなんじゃないの?」
「まぁな」
「うちは専業主婦だから」
「なあ? 美紗んちのかーちゃんは、うちの事情も理解してくれてっから、昨日、飯誘ってくれたんだろ」
「んー、そうなのかな?」
「そういうの考えると、やっぱ美紗んちのかーちゃんはいいなってことに行き着くんだよ」


