優しい瞳をしているし――たたみかけるような視線というか、包容力のありそうな――そんな雰囲気が、きっと私は好きなんだと思う。
外は相変わらずの土砂降りで、ピカッとたまに光ったりもしているけれど。
敦君が居てくれるだけで、心強く思えるのは、多分既に弱みを見せているからというのもあるんだろうけど――それが、敦君だからという思いもある。
誰彼構わずではなくて、敦君だから――。
いつの間にかそんな思考下にいた自分に、思わずふっと笑ってしまった。
出会う前までは、恋愛なんてって思考だったのに。
まだ会話さえもぎこちない相手なのに。
だから、本当に不思議でならない。
それに、こういう気持ちって、物凄く新鮮だから、未知な世界でちょっと楽しかったりもしてるんだ。
「雷、近付いて来てる雰囲気あるけど、大丈夫?」
「え?」
呑気に恋愛モードだった私。
外を気にしている敦君。
それから本当に稲妻が光り、私は見てしまったそれに、キャーなんて声を上げて、耳を塞いで運転席でマヌケにも伏せた。
いよいよ本格的に近い。
車ガラス一枚というのは耳を塞いでいたって防ぎようがない。


