「こういうんじゃ、気ぃ抜けない?」
「――えっ?」
「なんか、体が強張ってる感じするから」
「あの・・・・・・それは、慣れないので、かなり緊張しているというか・・・・・・」
「緊張って、相手にも伝染するって知ってる?」
「――え?」
「体が強張ってる感じするし、息を呑んだ感じが肩から伝わってくるから」
そう言って、フッと笑った敦君は、「そういう風だと、イケないことをしているみたいで、これ以上手出しするの躊躇しちゃうんだけど」――なんて。
本気なのか冗談なのか、笑って言ったのだ。
そんなこと言われてしまうと、微妙に責められている気がしないでもないんだけど――なぁんて思っていると。
「でも、その初々しさが、どっかに置き忘れてきた感情を取り戻させてくれた気もする」
一体何のことなのか――。
疑問を抱かずにはいられなかったけど、恐らく悪いことではないのだろうと――敦君の雰囲気から感じ取ることは出来た。
「それにしても、美紗ちゃんは脚が長いね」
「――え?」
「尚輝も長いなとは思ってたけど」
「尚輝は、確か・・・・・・8.なん頭身だかって言ってたけど」


