彼は、理想の tall man~first season~


「こういうんじゃ、気ぃ抜けない?」

「――えっ?」

「なんか、体が強張ってる感じするから」

「あの・・・・・・それは、慣れないので、かなり緊張しているというか・・・・・・」

「緊張って、相手にも伝染するって知ってる?」

「――え?」

「体が強張ってる感じするし、息を呑んだ感じが肩から伝わってくるから」


そう言って、フッと笑った敦君は、「そういう風だと、イケないことをしているみたいで、これ以上手出しするの躊躇しちゃうんだけど」――なんて。

本気なのか冗談なのか、笑って言ったのだ。


そんなこと言われてしまうと、微妙に責められている気がしないでもないんだけど――なぁんて思っていると。


「でも、その初々しさが、どっかに置き忘れてきた感情を取り戻させてくれた気もする」


一体何のことなのか――。

疑問を抱かずにはいられなかったけど、恐らく悪いことではないのだろうと――敦君の雰囲気から感じ取ることは出来た。


「それにしても、美紗ちゃんは脚が長いね」

「――え?」

「尚輝も長いなとは思ってたけど」

「尚輝は、確か・・・・・・8.なん頭身だかって言ってたけど」