こういうことに、当然と言っていいくらい慣れていないから、緊張で体が変に強張った。
それは、時間が経過すればするほどそうなって。
身を預けていても、体幹が変な緊張感で、全身が張ったような状態で。
明日、筋肉痛に見舞われるんじゃと思ったほどだった。
ただ、私が身を預けた身体――つまり敦君の身体は、見た目以上にガッチリとしていた。
男性の中でも高い域の敦君。
その高さと体型は、私の理想ではあったけれど、プラスアルァで更に――だ。
見た目ガッチリでも、見せかけの――という訳ではなく、見た目もその実態もケチの付けどころ無し。
うっかり腰に手を廻して、抱きついてみたい衝動にも駆られるけど。
この状態で身を強張らせたままの私には、間違っても出来ない行動。
それでも、いつか――自然とそんな風に出来る日が来ればいいなと思ったのは、自然な気持ちの流れで。
勿論、それをするのは人前とかじゃなくて、完全に2人きりの時だけど――。
なんて、変な想像――いや、妄想も膨らんだ。
ただ、これ以上それを膨らませる訳にもいかないから、目の前に広がる景色に目を向けて、意識をそれから本気で逸らしにかかった。


