彼は、理想の tall man~first season~


「うれしかったもん」


今度は声を張る意識を強めて、大きめに声を出して、言葉を発した。

だけど言ってから、敦君の驚いた表情を見て、恥ずかしくなって私は更なる補足をする為に饒舌になっていた。


「ただ、私――ああいう時、だいたい盾にされてたから、だから驚いちゃって」

「――え?」

「例えば、学校の校庭とかで、砂埃が舞うくらいの突風が吹いたら――私、この図体だから、友達に盾として有効利用されていた側で。こんな風にしてもらったことなんてなくて」

「嫌、ではなかった?」

「嫌だなんて思わないですよ。さっきみたいにされて、嬉しかったけど――ただ、こういうのって、どう身動きとればいいのか解らなくて。で、そういう自分ってどうなんだろうって、浅いなって。自分に対して幻滅というか」


黙ってジッと私の言うことに、敦君は耳を傾けてくれていて、私の言い分を真摯に聞いてくれる態勢だった。


「だから、本当にあんまりこういう事には免疫がなくて――」


ここまで言ってしまったら、面倒な女って思われないか不安にもなったけれど。

敦君はそんなことではバカになんてしないだろうとも思って、恥ずかしいけれど、そこまで私は話ていた。