彼は、理想の tall man~first season~


私が思っているその言葉の意味と――敦君の考えにズレなんてないと思うけど、一応聞いておかないとだと思った。

敦君の問いの意味が、私がもしかしてと、思い浮かべたそれと一致していたとしたら・・・・・・。

そこの部分は、かなり誤解されたくない域の問題になる。

だから、結構、無理矢理、普通に友達に聞くみたいにして、聞いたのだけれど。


ただ、却って来た言葉は――


「それは、俺が急に引き寄せたから」


ああ、やっぱり――な、答えだった。


ま、あの状態で嫌だった?

なんて聞いて来るその意味は、それしかないとは思っていたけれど。

私の態度が下手に誤解を与えてしまったのかと思うと――恥じらいなんて、本当に無用物なんだって実感した。


素直に甘えたい人には、甘えること。

それが簡単には出来ないから、今こんなことになっているんだけど。


ただ――言わないと伝わらないこともあって、私はかなり勇気を出してみた。


「――かったよ」

「ん?」


だけど緊張からか、思うように声が出てくれず、敦君にはハッキリと私の言葉は届かなかったみたいだった。

だからと言って、これでは終われない。