もしかしたら、私を飽きさせない為の、敦君なりの気遣いだったのかな?
そう思うと、やっぱり心がホッとした。
暫く風を感じながら、景色に見入っていると、敦君が「これ見て」と、開いた携帯の画面をこちらに向けた。
その画面と、今の景色をなんとなくリンクさせる雰囲気で、画面の中と実風景の目印になるものを指され。
目でそれを追いかけた。
そして位置確認をした後、まじまじと画面を覗いてみると、映っていたのは冬季のここからの景色と思わせる、画像で――。
「え、ここから、見えるの?」
「クリアな状態なら、夏場でも見られるかもね」
「すごーい!!」
画面の中央に映っているのは、雪景色のここの湖。
そして、その奥目に映っていたのは、真っ白な富士山だった。
画面の中でも凛としたその佇まい。
実際肉眼で見れたら、感動も深そうな。
今日は晴れてはいるけど、見られそうなポイントの方面は、雲がかかっていて見られそうにない。
それが少し残念ではあるけど、機会があれば見られる時はあるかも知れない。
ここに展望デッキを作ったのも妙に納得で、また今度訪れたいと思う場所になった。


