ソワソワしている日常が、なんとなく楽しい。
多方面で背伸びせず、かといってリアルに背を丸めることもせずに付き合える相手。
有るが儘で赦されて、有るが儘の身なりでいられる。
等身大で付き合える相手――。
尚輝もいい人を本当に紹介してくれたもんだわ――なんて、尚輝の気も知らずに、私は呑気に思っていた。
そんな考えをひとりで巡らせていた私を余所に、敦君は携帯片手に何かをしていた。
そういう感じだと、軽く暇を持て余すところではあるけれど、ずっと話っぱなしも結構話題につまりそうで怖くて。
これくらいの感じが丁度いいのかなぁ――なんて、だだっ広い湖を見ながら思っていた時分。
「ここ何気に展望デッキとかあるみたいよ」
携帯片手に敦君がそう言葉を寄越して、携帯の画面を見せてくれた。
どの辺にあるんだ?
――なんて言いながら、周辺を見てやっている敦君。
どこにあるか不明だし、この湖は本当に広いから、車での移動を提案して、一旦車に引き返すことにした。
「もしかすると、向こうの山際の方にあるのかもね」
「展望デッキっていうくらいだから、そうなのかな」
辺りをキョロキョロ見回しながら、歩く――。


