「それじゃ、これがキーね」
「――はい、ありがとうございます」
仕事を終えて、定時の鐘の後、三分も経たずな時間に会社を出て。
松本さんのディーラーまで向かった私は、一通りの説明を受けて、晴れて車を受け取った。
「保険もさっき確認して、間違いなく今日の18時からきいてるから」
「はい――ありがとうございます」
「気をつけて帰ってね」
「もう、本当に、それだけが心配ですけど――今日は実家まで帰るので、気が抜けません」
「え? 本当に? 大丈夫?」
「飛ばさずゆっくり帰ります」
「うん、安全運転でね」
「はい――本当に、ありがとうございました」
先ずは、マスターの所に行ってから、楽譜を受け取り、それからマンションに戻って尚輝を連れて、実家へGOだ。
嬰の近くの駐車場に車を停めて携帯で写真を撮って、無事に納車を終えた旨を書き添え。
尚輝から聞いているかも知れないけど、一応実家に帰ることも書き伝えて、写メールを敦君に送った。
マスターには、弾いて行けと言われたけれど。
来週ゆっくり来ることを約束して、楽譜を受け取って、嬰からは早々に退散。


