彼は、理想の tall man~first season~


「部長――すみません、今日はスーパー定時で上がらせてもらってもいいですか?」

「うん、いいけど。なに、デート?」

「え? いえいえ、今日会社終わってから、納車なので」

「ああ、前に車買ったって言ってたけど、納車なんだ」

「はい」

「あれ、車通勤、月曜からだったっけ?」

「いえ、まだ申請は出していないので――来月定期切れるタイミングで切替ようかと」

「そっか、それじゃ総務に必要な書類出しといてくれる? 俺忘れちゃいそうだから」

「あ、はい」

「なんだか忙しいんだよね、最近」

「そうなんですか? それで、あれだったんですね」

「あれってなに?」

「すみません――最近部長元気がないって、話題になってて」

「なに、もしかして、今井さん達?」

「はい・・・・・・元気がないって心配されてましたよ?」

「そんなに、俺元気がないように見えた?」

「いえ・・・・・・すみません、私もパートさん達が騒ぐまで、そんなに気付かなかったんです。仕事中は普段通り仕事されていましたし。でも言われてみると、なんとなくそうかなぁって思うこともあって」


苦笑い混じりに正直にそう話すと、部長も苦笑い。