「明日も早いのに、遅くまでゴメンね」
「あの、それは本当に全くお気になさらずに」
「―――」
「―――」
無言で見つめ合って。
その後、フッと笑ったのは、敦君だった。
「その調子で大丈夫?」
「――え?」
何かと思って見返した私に。
尚輝と話すみたいな感覚で話してくれていいよ――と。
早速やらかしていたことに気付いて、私はそんな自分にイラッとした。
「今日は無理でも、日曜日からみっちりやるから覚悟しておいて」
「――は、い」
もう一度覚悟を決めて、返事をして、納得したように頷いてから玄関に向かう敦君の後ろに続いて歩いた。
変われないかもではなくて、変えるように意識を強めて、強固な関係になりたい。
膨らんだ理想を、より現実に。
そう思いながら、靴を履く敦君の後ろ姿を黙って見ていた。
疲れているのに、遅くまで付き合わせてしまって申し訳ない気持ちと。
もう少し一緒にいたかったな、という気持ちが、複雑に入り混じる。
エレベーターの所まで見送ってから、シャワーを浴びて寝ようかと考えて、私も靴を履く気でいたけれど――。


