彼は、理想の tall man~first season~


――それから、日曜日の予定を敦君と話した。

自分のペースを保ちながら、飲んで食べてで、気分良くワインが飲めた。


ペースを合わせくれているであろう敦君は、話すペースも多分私に合わせてくれている。

落ち着いた雰囲気で、歳が少し離れた兄が私にいたら、きっと敦君のような人だったらって。

不毛な妄想までをもさせる。


「そう言えば、長山から連絡来た?」

「あ――はい、曲の長さの目安の連絡をメールで」

「大丈夫そう?」

「私がしっかり練習出来ればですけど、」

「練習か――ピアノがないと出来ないもんねぇ」

「はい、でもイメージだけでもしないよりはマシなので」

「イメージって、イメージトレーニングみたいな?」

「私、ピアノをひいた角度から見た画が頭の中に浮かぶので、その鍵盤を弾くイメージで」

「そんなこと出来るの?」

「はい――脳はまぁまぁ疲れますけど、コンクールの前後は、頭の中の鍵盤を弾く夢を見たりもしました」

「コンクールって、ピアノのコンクールだよね? そういうのも出てたの?」

「小中と高校は途中でやめる前までは、出てました」