彼は、理想の tall man~first season~


私の不安を取り払うかのようにそう言ってくれた敦君は――実は、と。

2人で抜けたのも、最初から尚輝に言ってあったみたいで、作戦だったと教えてくれた。


どうしてそんな作戦を――なんて思いもしたけれど。

「平日は仕事でなかなか厳しいから、こういう日くらいは2人で、ね」

「―――」


私は、耳を疑った。

もしかして――敦君も、会いたいと思ってくれていたのだろうか。

ハッキリと言ったわけではないけど、言葉と仕草のニュアンスからそう伝わるものがあった。

仕事で時間の都合をつけるのが普段は厳しいから無理だけど、こういう日くらいは、2人だけで――。

都合よく考えすぎかも知れないけど、想えば想われる。

そんな言葉を思い出した。


同じ想いであれば――さっきのような、仲のいいカップルみたいになれるなれないは、なにかキッカケがあればという気もして来た。


それから、会社の話をしながら電車に乗り。

ホームタウンの駅近くの居酒屋に寄って、軽く飲んで帰ろうかと話はまとまった。


「疲れてない?」

「疲れは、飛びました」


即答した私に、不思議な顔して敦君は笑っていたけど――。