彼は、理想の tall man~first season~


それは、本人の気持ちに、揺さぶりを掛けたってこと?


「はい、解決! ま、そういうことだな」


――え?

なに、長山さん。

いきなり藤本さんの腿をパンッと叩いて、ニッコリ笑顔。


「お前の悩みって、昔から女みてぇなぁ」


挙句そんなこと言った長山さんに釣られて、敦君も何故だか笑っている。


「藤本、お前と彼女の大事なこれからのことだ。あとはお前が男になれるかどうかだな」


あっさり解決――ってわけではないんだろうけど。

私にはなんだかそのやり取りは拍子抜けな感じで。

言葉も出なかった。


「美紗ちゃんね、藤本は昔から煮え切らない男なの」

「――そう、なんですか?」

「俺らがいつもケツ叩き役」


だから、あっさりみたいな感じだったのかな?

でも、藤本さんの本音はどうなのかな?

実際、結婚をする気があるのかな?

別れたらどうだって言われて、その瞬間に藤本さんの中で、否定の気持ちが強ければ――。

やっぱり彼女の事を想っているってことなんだろうから、藤本さんのみぞ知る胸中だけど。


「つうか、結婚後のこと考えてブルーになってるけど、プロポーズして断られたらウケるな」