あれ?
確かこれって――長山さんの披露宴まがいの余興の歌キッカケの集まりだよね?
人生&恋愛相談みたいなこの感じは、私が聞いてしまって良かったのかどうなのか――。
実に微妙だと思いながらも、耳を傾けた。
彼女との明るい未来を推し進めようとする長山さんは――きっと藤本さんよりも、彼女の気持ちを汲んでいるようにも思うけど。
「そこまで悩んでんなら、しない方がいいな」
初めてこのことに対して口を開いた敦君は、まさかの藤本さん寄りの考え?
「そんな気持ちのまま結婚されてみろ――相手が気の毒だろ」
ううん、むしろ案外、それが真っ当な意見なのかも――。
「相手のことを考えるなら、別の人生の選択肢を増やせるように、もういっそのこと別れたらどうだ?」
いや、でも、やっぱりそれは厳しい意見のような気も――。
「中條、お前――結構キツイこと言うなぁ」
「そうか?」
「だってお前、いきなり別れたらどうだって――キツイだろ」
「藤本がそれを俺ごときに言われた瞬間、心の中でなにを強く思ったか――その答えは、藤本が今一番解ってると思うけど」


