彼は、理想の tall man~first season~


彼女さんとの結婚について考えることが、藤本さんには凄いストレスみたいな感じに聞こえてならない。

それと同時に、私の年齢なら、2~3年付き合って別れても、まだ潰しがきく歳だと――遠回しに敦君へのアドバイスにも聞こえなくもない。


「俺、出来ればパーチーひとりで行きたいんだけど」

「はあ?」

「俺と同年齢の長山が結婚するのを、彼女と一緒に見るとか、今の俺には酷だと思わない?」

「思わない。むしろ早く彼女の為にも、身を固めろって思う」

「長山は敵かよ~」

「でも、確かに俺にもそういう時期はあったけど。家に帰って誰かが待っててくれるって、いいもんだぞ」

「ふ~ん、煩わしさとかはねぇの?」

「新鮮度の方が上回ってる」

「新鮮度か――いや、でも、鮮度は、俺達にはもうねぇんだよなぁ」


長山さんと藤本さんの話を、黙って聞いていると、藤本さんは急に頭を抱え出した。


「なに、藤本、お前そんなに深刻なん?」

「ん? ちょっと付き合うの長過ぎたなーって心境?」

「そんなこと言ってて大丈夫なんかよ? 籍入れたら一生なんだぞ?」

「一生とか、ずっととか――なんかもう俺には重い」