彼は、理想の tall man~first season~


あからさまにデカい女だって反応は、覚悟をしていても、やっぱり多少なり傷付く訳で――。

コーヒーカップの中を、沈んだ気持ちでジッと見ていた。


「どうしたの?」

「――えっ」

「疲れた?」

「いえ、大丈夫です」


いけない、いけない。

ガッツリ落ちている場合じゃない。

悪いクセが出ていたことを反省して、顔を上げた。


「あ、そうだ。今日のことなんだけど、」

「はい?」


敦君が、顔を上げた私に、何か思い出した感じで言葉を発し、私は何だろうと、その言葉を待った。


「もしかしたらなんだけど、」

「はい」

「2人に会うの、結構久々で」

「そうですよね、海外行かれてたんですもんね」


私の返答に、軽く頷いた敦君。


「今日、終わったら、飲みに行くって流れになりそうな気もするんだけど」

「あ、そうですよね。普通ならそうなりますよね」

「うん、それで――」

「あの、私のことならお気になさらず、どうぞ」


話し合いが終わったら、別行動かと思うと、少し残念な気もするけど。

離れがたくなる前に、先に言っておいて貰えて、良かったかもとか考えていた。