でも――やれるだけのことはやろうと、心に誓った。
ランチタイムはスピード命。
少ししてからパスタが運ばれ、お互いにそれを食した。
「長山さんて、どんな方なんですか?」
「んー、ふざけた奴」
「――はい?」
「でも、根は真面目」
ふざけた奴と言われた瞬間は、一瞬固まってしまったけれど。
「チームのムードメーカーで、面白い奴だよ」
足された言葉を聞いて、ホッとした。
「それじゃ、歌を歌われる方って、」
「あー藤本?」
「はい、あ、そうです。藤本さんは、どんな方なんですか?」
「んー、藤本は、明るさが売りで、これまたムードメーカーな感じかな」
これから会う2人の人柄を聞いて、少し人見知りする私も、ちょっと安心することが出来た。
食後にコーヒーを飲んで、連絡を待ち。
徐々にまた緊張感が増す。
松本さんは普通にスルーをしてくれたけど。
敦君が背が高いからといって、私が一般的にスルーされる背丈ではない訳で。
過去に味わった、忌まわしき記憶が、思い出されて気鬱になって行く。
今更ヒールの高い履物で来たことを、後悔しても遅かったりするんだけど。


