彼は、理想の tall man~first season~


でも――やれるだけのことはやろうと、心に誓った。


ランチタイムはスピード命。

少ししてからパスタが運ばれ、お互いにそれを食した。


「長山さんて、どんな方なんですか?」

「んー、ふざけた奴」

「――はい?」

「でも、根は真面目」


ふざけた奴と言われた瞬間は、一瞬固まってしまったけれど。


「チームのムードメーカーで、面白い奴だよ」


足された言葉を聞いて、ホッとした。


「それじゃ、歌を歌われる方って、」

「あー藤本?」

「はい、あ、そうです。藤本さんは、どんな方なんですか?」

「んー、藤本は、明るさが売りで、これまたムードメーカーな感じかな」


これから会う2人の人柄を聞いて、少し人見知りする私も、ちょっと安心することが出来た。


食後にコーヒーを飲んで、連絡を待ち。

徐々にまた緊張感が増す。


松本さんは普通にスルーをしてくれたけど。

敦君が背が高いからといって、私が一般的にスルーされる背丈ではない訳で。

過去に味わった、忌まわしき記憶が、思い出されて気鬱になって行く。

今更ヒールの高い履物で来たことを、後悔しても遅かったりするんだけど。