敦君と一緒に寝ることに、少なからず緊張しているのもあるんだろうけど――本当に全く眠れそうにない。

携帯でも手元にあれば、暇が潰せるサイトにアクセスして、そんな事をしている間に、コテッと眠れそうな気もするけど。

肝心の携帯が、今手元にない。


手持ち無沙汰にやり切れず、なんとなく寝る体勢を整えた。


敦君からは、変わらず規則正しい寝息が微かに聴こえている。


寝相も寝息も文句なし。

見た目も性格も文句なし。

仕事は出来そうで、後輩の面倒見も良さそう。

経済力も文句なしだし。

年上の余裕的な、雰囲気も文句なし。


敦君は、なしなし尽くしで、ケチのつけ所がなくて、私には勿体無いんじゃ――。

いやいや、素敵な人だもん。

こちらから手を引くというのは考えたくはない。

だけど――なんか、難しいんだよな。

別に人間性が難しいとかじゃなくて。

いつになったら、ある程度対等な感じになれるのか?

いつになったら、こういうことを考えず、悩まずにすむのか?


今一歩の所で盛り上がりに欠けているように思うんだけど。

そう思っているのは、私だけなのかな――。