それが、今でもってこと?
いや――でも、お互い、もう大人になった訳で。
考え過ぎなんじゃ――って、そう思ったけれど、口に出す雰囲気でもなく。
頭の隅に追いやった。
「そう言えば、尚輝が、雷の日は、たまに魘されるって言ってたけど、本当に大丈夫?」
「え? あ、はい――多分」
「今日、もしそうなったら、ちゃんと起こすから」
「あ、ありがとうございます」
優しく髪を撫でつけられて、おやすみ――と。
嵐の後の静けさなのか――外もいつの間にか静まり返り。
私も寝ようと思って、おやすみなさいと小声で口にし。
ふんわり抱かれている体勢で、そっと目を閉じた。
――――
―――
なんだろう、眠れない。
おやすみなさいと言ってから、どれだけ時間が経ったのか?
目を閉じたままでも、私は全く眠れなかった。
静まり返った部屋からは、敦君の寝息らしきものが微かに聴こえる程度で。
お酒は間違いなく飲んで、帰宅時なんかは眠かったくらいなのに――。
このタイミングで目が冴えてしまったみたいだ。
そんな私は、寝ることを諦め、目を開けたり閉じたりしてやり過ごした。


