「あ、はい。あの――それじゃあ、私が寝たんじゃないかっておっしゃられていましたけど、それは、なんでですか?」
「それはちょっとした撹乱?」
「――はい?」
言われたことに再びの疑問が生まれた。
なんか、敦君て、良く解らないことを言うけど。
付き合って行けば慣れるものなのかな?
私の理解力が低いだけ?
「実際さ――美紗いる? って聞かれて、はい――って直ぐに電話代わったら、直ぐ隣にいるって思われるでしょう?」
「え――あ、はい」
「だから、ちょっと撹乱。なんか、あらぬ想像されても、ね」
――つまり、それって、私と敦君が女と男だからってこと?
距離感は別の角度でも微妙ってことなのかな。
「尚輝は、美紗ちゃんが痩せ我慢してないかと――あと、俺たちの状況が気になってたっていうのもあって、電話して来たんだろうね」
「そう・・・・・・なの、かな」
言いながら思い出したのは、晃と前に2人で居酒屋で飲んだ時に、晃から言われた事だった。
それは、昔私が気にしていた尚輝の異性事情を、当時尚輝も気にしていたような話で――。


