やっぱり、いい感じになるまでには時間が必要なのかな。

さっきから、話し方も元に戻っちゃってるし。

同期的感覚も、なかなかどうしたもんか――難しい。


「尚輝が心配して電話を寄越すんだから、美紗ちゃん相当雷が苦手なんだね」

「――え? あ、はい。お恥ずかしい限りですけど」

「ううん。わざとダメってフリをする子もいるけど、」

「あのっ、私、嘘なんか吐きませんよ。雷が怖いなんて、本当に情けなくて、かっこ悪い」

「うん。だから、尚輝から電話来て、美紗ちゃんは本気で苦手だって解って、俺的には安心した」

「――え?」

「苦手なのを、我慢されてなくて良かったなって」

「―――」


誤解されていたのなら、心外だって思ったけれど。

返って来たのは意外な言葉で、私は言葉に詰まった。


「美紗ちゃんのこと、心配したっていうのもあると思うけど。尚輝が気になったのは、多分美紗ちゃんが痩せ我慢していないかどうかだと思う――まあ、そればっかりでもないと思うけどね」

「え? あの、私が、痩せ我慢て――」

「それはさ――ちゃんと、俺に苦手だって意思表示が出来てるかどうか」