彼は、理想の tall man~first season~


それは多分――もう寝る合図なんだと私は悟り、急に緊張感が高まった。

だけど、ずっと座っているのも変だと思って、携帯からの光を頼りに敦君に近付き。

そして、自分の部屋のドアを開けた。


「あの――ベッド狭いかも、」

見えた自分のベッドに、一緒に寝るには窮屈なんじゃと思ったけれど。

「大丈夫だよ」

と、頭上からは敦君の声。


私のベッドはシングルベッド。

背が高くて肩幅のある敦君が、1人で寝るのもなかなか狭いんじゃと思う面積。


いざ一緒にって思って増す緊張感の中、敦君が動き。

私のベッドの掛け布団の端を持って、それを捲った。

大人の余裕ってヤツなのか?

あっさりとそんな行動に出られると、ちょっと拍子抜けで。

敦君に促され、私は、ベッドに入った。

だけど、もっと拍子抜けだったのは――。


おやすみ――なんて、掛け布団を敦君が掛け、私だけをベッドに寝かせたからで。

緊張していたけれど、一緒に寝てくれるんじゃないのかと思っていた私は、その状況についていけず、「え?」なんて。

ベッドに横たわって、間抜けにもそんな声を上げていた。