彼は、理想の tall man~first season~


「キャーッ!!」

今日一番の雷鳴に、私は咄嗟に耳を塞いだ。


瞬間――パッ、と。

部屋の明かりという明かりが、全消灯。

更に「イヤー」なんて叫んでいた私は――

うわ、本当に停電か――そう呟いた敦君に、崩れかけた体を支えてもらっていた。


敦君がテーブルに置いていたライターを手探りで手に取り、それを点け。

その灯りを頼りに、電気が点くまでちょっと座ってようかと促された私は、敦君とソファーに腰を下ろした。


お互いに、シャワーしたて特有の、シャンプーやらボディーソープの香りを漂わせている。

未だにバリバリバリッ――なんて、外では耳を塞ぎたくなるような、雷音が鳴り響き。

敦君に身を寄せるように私は座り。

敦君はそれを黙って支えてくれていた。


幼稚な一面をさらけ出す形になってしまい、私は、情けないやら悔しいやら――。

それでも、恐怖心は音に煽られ増すばかりで、どうすることも出来なかった。


暫くジッとしていると、部屋がパッと明かるくなり。

「あ、点いたね」

半泣き状態だった私は、敦君が着ているTシャツを握ってて、そこから手を離した。