敦君を待っている間、変にソワソワしていた私は、バッグの中から歯磨きセットを取り出し、私の部屋とは違って外の音を遮断出来る尚輝の部屋で、ベッドに座りながら歯を磨いた。
本当に、どこでどうやって寝て貰おうかな。
その事を考えながら歯を磨き、だけど答えは出せぬまま――歯を磨き終えてしまった。
そして、更に悩みながらキッチンでコーヒーカップを片付けていると、敦君がシャワーを終えたらしく、リビングに戻って来た。
「着替え、ありがと」
爽やかに微笑まれ、なんとなく気恥ずかしくなる。
敦君の手には、着ていたワイシャツが握られていて、きっと靴下とパンツも一緒に持っているのだろうと私は推察。
それらを自分のビジネスバッグと纏め始めた敦君の姿を見た私は、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
そっと近付きそれを渡すと、ありがとう――と、やはり爽やかに返され。
私はこの後どうしようかと、変に悩んだ。
けど、それを深く考える間は、バリバリバリバリバリッ――。
外で大きな雷音が鳴り響き。
私の思考回路は簡単に遮断されたのだった。
そして、バリバリ、ズドドッバッバーン――どこかに大きな雷が落ちた。


