彼は、理想の tall man~first season~


でも――尚輝には、今日敦君が泊まることになったって、連絡していない。

マスター達と飲んでるのに、そんなややこしい連絡はしたくないし。

ただそうなると、尚輝がいつ帰って来るか分からないから、この部屋で寝てもらうのは無理ってことになる。

来客用のお布団は仕舞いっぱなしで、暫く干していないし。


う~ん、どうしよう?

まさかソファーなんて訳にもいかないし、と――私は頭を悩ませた。


――え、私の?

いやいや、まさか、そんな。

でも、そうなっても、おかしくはないんだよね。

いや、でも、シングルベッドに2人は狭いし。


あの、良かったらうちで――なんて言ってしまったけれど、考えなしだったことに気付いた。


男と女で、付き合い始めた仲だから、然るべき時が来たら――そういうことになる、という事は、考えたりもした。

だから、別に――とも思うけれど。

でも、そういう意味でシャワーって言った訳じゃない。

ただ、もしも万が一、そういうことになったら。


――なったら?

私、どうすればいいんだろう。

心の準備なんて、全く出来てないし。

なんだか、今更この状況に、不安になった。