晃は今日帰らないのに、帰ったら入るって、それってシャワー浴びないで寝るってこと?
そんなんじゃ、ゆっくり眠れないし、絶対気持ち悪いはず。
私が怖がっているからって、変な気は遣われたくなかった。
「着替えなら尚輝のがあるし、それに本当に停電になっちゃったら、それこそ大変だし」
「うん、でも、美紗ちゃんひとりじゃ――」
「私のことが心配だったら、5分で出て来て」
「――え?」
「それは冗談・・・・・・だけど」
敦君に急かされシャワーをした私は、今度は逆に敦君を急かしていた。
困っているであろう敦君を脱衣所に押し込み、バスタオルを棚から取り出し。
着替えは2分後には置いておくからと言い、私は脱衣所を後にして、尚輝の部屋を漁った。
Tシャツとハーフパンツに、真新しいパンツ。
無駄にストックが多いパンツも偶には役に立つなどと思いながら、一式を揃えた。
脱衣所の収納棚の中の歯ブラシも出そうと考え、そして、少しだけ尚輝のベッドに腰を下ろして、私は時間を潰した。
―――あっ。
今日は、どこで寝てもらったらいいんだろう?
この部屋?


