彼は、理想の tall man~first season~


雷鳴は、止む気配なし――。

視線を軽く落としている私の目の前には、敦君のシャツとネクタイ。

本当に距離が近過ぎる――。


時間にしたら、恐らく2分となかったこの状況。

それでも、この慣れぬ体勢は、私にはとても長く感じられた。


「美紗ちゃん」

ふいに名前を呼ばれ顔を上げると、体を軽く離した敦君は――

「シャワーは長い?」

いきなりそう聞いて来た。


「止むのいつになるか分からないから、シャワーするなら入って来た方が良いかも」

「――え?」

「酷くなるかも知れないから。そうなると、停電するかも知れないし」

「それは困る!」


――でしょ?

なんて笑みを向けられ、今より酷くなる前に、早く入った方がいいと再度急かされた。


着替えを取りに部屋に入り、ドタバタと準備をして、バスルームにGo。


雷も嫌だけど、停電とかも本当に最悪。

私はマッハでシャワーを浴び終えた。

ルームウェアに着替えて、髪を軽く乾かしてからリビングに戻ると、ベランダの入り口に立って外を見ていた敦君が振り返った。

そして、早かったね――と、クスリと笑って、直ぐにカーテンを閉めてくれた。