「は――えっ? なに? どういうこと?」

「んーなんかー、」


ちょっと酔い気味の智子は、事の経緯を話してくれた。

どうやらここに来る途中、尚輝達は彼女達に偶然出くわし。

彼女達に勝手に付いて来られただけのようだった。


「なんか同じ会社の人だから、無下にも出来なかったんじゃないかね?」

「そう・・・・・・なんだ」


あれだけ雰囲気が良さそうに見えたけど。

どうやら完全に私の勘違いだったらしい。


拍子抜けもいい所なんだけど。

でも、ちょっと待って。

私、相当変に勘ぐってた――。


マスターは隣で話を聞いてて、「んだよ、つまんねーな」なんて。

ゴタゴタになることを期待していたかのように、笑っているけれど。

「マスターって、人の恋愛、絶対面白がってるでしょ?」

そう言った私に、「あったりめぇじゃん」とか言ってくれちゃって、更に笑ってるけど。

私は、そんな呑気な状況ではいられなかった。


「美紗、中條さんて本当に背ぇ高いね!!」

「え? あ、うん」

「しかも、かっこいいしさぁ」

「――うん」