「――髪、型、は?」
「短髪めで、結構いい男だったぞ」
「へぇ――そう、なんだ」
ってことは、間違いないよね。
やっぱり、物事いいようにしか考えないというのは、やめておいた方が良いんだ。
あと、いい男の言う事は、所詮は気紛れだって、思っておいた方がいいという事なんだろう。
きっと、そういうことなんだ。
「派手目な姉ちゃんが、べったり寄り付いてたな」
「ふぅん、そう」
実は女いるんだよね的な感じなのか――私は多勢のガールフレンドの1人ということを認識させる為の行動なのか――。
尚輝が一緒ってことは、私がここに居るって、知っての行動。
そう考えると、なんだか胃がムカムカして来た。
「なんだ、知り合いか?」
「え? いや、うん、多分」
「なら、ちょっと顔出してこいよ」
「いや遠慮しとく――っていうか、私もう帰っていいかな」
「は? なんだ、具合でも悪ぃのか?」
「――――」
「おい、どうした?」
私、なんで泣きそうになってんだろう。
嫌だな――。
そんなんじゃないのに。


