「っ、智子、なにしてんの?」
「この間、金曜日マスターの所に行くって言ってたから、将也と一緒に来てみた」
「え? マサ君も一緒なの?」
「うん。ご飯食べながら美紗の話してたら、私も将也も久々にここ来たくなっちゃって」
「そっか、今日はデートだったか」
「ねぇ、美紗、今ちょこっと席来れる? 和君、美紗のこと借りても平気?」
和君が、「ちゃんと返してね」なんて冗談言って。
新しく入れてくれたカクテルと共に私は智子に席まで引っ張られた。
マサ君のいる席には、マスターもいて。
2人は楽しそうにトーク中。
和君もこれじゃ大変だ、と思うけど。
逆に和君がしっかりしているから、マスターがこういう風にしていられると思えば、なんだか妙に納得が出来た。
同じ大学で同じ学部で仲の良かった智子とマサ君は、私がここでバイトをしていた頃、度々通ってくれた、ここの常連客。
マスターとも顔馴染みの仲だ。
「よっ!! 美紗」
そんなテンションで挨拶をされた私は、マサ君に「久し振り」と、声を掛けた。


