本当は、誰かに寄り掛かりたいって気持ちが、いつも心のどこかには在った。
けど、まぁ、そういうのはキャラじゃないし、とか。
そんな風に諦めにも近い状態でやり過ごしていた、学生時代。
ただ、誰かに寄り掛かりたいと思うそんな時は、尚輝がいつもどうにかしてくれていたし。
今はたまに会う晃の毒舌が、妙に心地良いし。
まぁ、いつまでもそんな感じじゃ、本当の意味での幸せが解らなくなりそうだけど――。
女の喜びって、なんなんだろう?
そんなことを考えながら、私は2本目の煙草に火を点けた。
完全にリラックスモードで、煙草を吸いながら、部屋の隅に積んだままのダンボールを見て、溜め息が出た。
引っ越し前に、荷物を整理した時に、結構ぼんぼん捨てた気でいたけれど――なんだろう、あのダンボールの箱は。
新しい生活は、気分が変わって、いいにはいいけど。
仕事が休みの日に荷物整理というのは辛いものがる。
仕事から家に帰って来てからの荷物整理なんて、精神的に疲れているから無理だ。
このままダンボール箱ごと捨てたって、なんの支障も無い気もして。
自分が面倒臭がりだってことに、今更気付く。


