尚輝が軽く鋭い目を私に向けて来たから、飲み過ぎな状況を反省。
これじゃあ、酔って部長のことをネチネチ言って来る課長と同類だ。
よく人のこと言えたもんだわ。
「手癖悪いって、美紗なにされんの?」
それらの話は、終わりにしようと思っていたのに、晃がまさかの質問を寄越して来た。
「別に、大したことじゃない」
「なんだよ、大したことじゃないって、どんなセクハラだよ」
「そんなに騒いで言うほどのことでもない程度ってこと」
納得はしてなさそうだったけれど、ふーんみたいな雰囲気で口を閉ざした晃。
それにちょっとホッとしていると、隣の尚輝様は、「何をされたのか言え」と、そこで話を終わりにはしてくれなかった。
「だから、別に大したこ――」
「大したことじゃないかどうかは、俺が判断するから言え」
「・・・・・・」
「つか、本当に大したことじゃないなら言えんだろ」
「まあ、それはそうだけど」
どうしても私に口を割らせたいらしい尚輝様は、機嫌がすこぶる悪く。
眉間にシワを寄せ、更に鋭い視線で此方を見ていた。


