「美紗んとこも、飲み会あんのか?」
「――え? うん、定期的にあるかな」
「定期的?」
「飲み会用に、積み立てみたいなのしてるから」
「積み立て?」
「個人負担は、毎月千円だけどね」
「それだけで、飲み会成り立つのか?」
「会社からも毎月千円積み足されてるから、まあまあじゃないかな。たまに飲み会でビンゴやるから、景品代とかそこから出したりして」
晃の質問に、なんのわだかまりもなく応えられていた自分に、ちょっと驚いた。
「美紗は会社の飲み会じゃ、飲んで帰って来ねーけど、あんまり飲む奴いないのか?」
「んー、気分が乗らないだけかなぁ。尚輝も知ってるでしょ、私が仲良くして貰ってる女性陣はみんな既婚者だって」
「パートのおばちゃん軍団か」
「主婦だから、飲み会に来ない方が多いんだよね。だから、行っても、気を許せて飲める相手っていないし。それに、毎回へべれけになる男子社員がいるから、後処理が大変なの」
「そんな奴いるのか?」
「うん、毎回タクシー押し込むの大変なんだから」


