「うちの会社の女性陣は、飲み行く時、なんでかこのボトル頼むよね? 敦さん」
「ああ、そうだな」
2人の会話を聞いていたら、もしかして――不要なモヤモヤを抱いてたかも知れない展開で。
「俺の姉貴も好きな酒だな」
敦君がそんな事を言い出すもんだから、完全に私ってバカだって思った。
でも、聞いてて気分はちょっと軽くなった。
「なあ、尚輝の会社って、飲み会とかあんの?」
「まぁ、たまーにだな」
「ふーん、いいな。うちはあった所で、男しかいねーから、シケた飲み会にしかなんねーし」
「そういうもんか? 俺はそっちの方がいいけどな」
「どうせ、あれだろ? 尚輝はミーハー女子に囲われて、飲まされるパターンだろ?」
「当たらずとも遠からず――敦さんもそんな感じだよね」
「へぇ、あっちゃんもそうなんだ」
ただ、持ち直していた気分は、尚輝と晃によって再び沈まされた。
それに加えて、肯定も否定もせずに軽く笑ってそれを交わしていた敦君にも、ちょっと凹まされていた。


